ぶさいく記念日
けさ、起きたら家を出る時間の5分前でした。
コンシーラーと
ハイライトと
フェイスパウダーと
アイブロウマスカラと
アイシャドウと
チークと
丁寧な顔面施工を諦め家を飛び出し、
始業10分前に自転車置き場に滑り込み、
とりあえず遅刻は免れ一安心。
まだ気は抜けぬと足早に教室へ向かう途中、目の前にいた二人の女の子の歩みがちょっと遅かったので私は彼女達を抜かすことになりまして。
そこでちょうどスレスレですれ違うことになった、反対側から来ていた男の子がすれ違い様に一言、
「ぶさいく」
こちらに言い放ったんですね。
その時の気分は、一瞬にして煤けたエプロン姿に戻された感じ。
最近あまり意識しないでいられた、自分のおブスを思い出させられました。
私の顔はまぶたがのぺっと重くて爬虫類みたいです。目が細いので、笑った自分のいる写真を見ると「妖怪みたいだなー!」といつも思います。
実家暮らしだった時は「”可愛いは作れる”から頑張りなさい」、と母から遠回しにブスを指摘されていたのでブスを弁えていたんですけど。
大学に入ってから優しいフェアリーゴッドマザーみたいな人たちに囲まれてしまって。
20歳を超えて痩せたのに加え、ちょっとメイクを覚えたりしてそれなりになった私は、そんな優しい方々から見た目に関して肯定的な言葉をもらえるようになりました。
友人が、恋人がかけてくれる「かわいい」の言葉は魔法です。
どうにもならない見た目のことを忘れさせてくれる力があります。
その言葉を励みに「もっと頑張ってみようかな」と思えたりもします。
自分でかけられる魔法もあります。
お化粧を研究したり、ダイエットしたりして自分に自信をつけたり、
人から言われる「かわいい」を信じる努力をしたり。
あとは恋!
恋をしているとなぜか人って可愛くなります。
アルバムを見返していて、今よりメイクは下手だしおデブなのに、恋していた時の自分は輝いていて驚きます。
でも魔法は所詮魔法で、自分がブスなのは残念ながら変わらないです。
だから、悲しい気分になりたくなかったら魔法にかかり続ける努力をしなきゃいけないんだなあ、と今日思いました。
寝坊した私、ぬかったなー。
ブスですけど、面と向かって(?)ぶさいくと言われたのは初めてなので、
きょうは「ぶさいく記念日」。
魔法が解けてなんだか心がしぼんでるし、
一緒にお祝いしてくれるお友達がそばにほしい夜かな。